September 30, 2022

ゴーストレストランとは?メリットや開業までの流れを徹底解説!

こんにちは!KitchenBASE(キッチンベース)です。

店舗をもたずに飲食店を経営する「ゴーストレストラン」。 新型コロナによるデリバリー需要の高まりとともに、日本でも飲食業界の新たなビジネスモデルとして注目されています。

しかしながら、飲食店としての形を持たずにどのように経営を行っているのか気になる方も多いのではないでしょうか?

今回は、これからゴーストレストランの開業を検討する方に向けて、ゴーストレストランのメリットや、開業に必要な手順について解説します!

ゴーストレストランとは?

ゴーストレストランとは、ゴーストという名の通り「客席」を持たず、デリバリーで顧客に料理を提供する飲食店です。

シェアキッチンや間借り店舗での調理環境さえあれば、本格料理をデリバリーサービスを介して配達することができます。

ゴーストレストランを利用するには、デリバリー専門のアプリ上で商品を注文するだけ。飲食店へ出向くことなく、ご自宅や外出先でレストランの味を気軽に楽しめるようになりました。

ゴーストレストランの普及の歴史

世界的なゴーストレストラン普及の起源には、NYを中心としたアメリカにおけるデリバリープラットフォーマーの出現が背景にあります。

従来、デリバリーを導入する飲食店ではレストラン業務の傍ら、自社の配達員を雇って宅配することが主流でした。

2014年には、デリバリー代行サービスUber Eatsの出現により、デリバリーに力を入れたい飲食店が料理に集中できるように。Uber EatsやDoor Dashなどのサービスが普及するとともに、ゴーストレストランはNYでいち早く広がりを見せました。

日本では、シェアリングエコノミーが注目されはじめた2016年、Uber Eatsが初上陸。

2018年には、ITスタートアップ企業を中心に、運ぶ人を”シェア”しながらデリバリー専門の店を作ろうという機運が高まりました。

ゴーストレストランという業態を日本で初めて導入したのは、2018年無店舗型のUberEats専門店として運営をはじめた「6 curry」 (by NEWPEACE Inc.) です。

約半年後となる2019年6月には、私たち株式会社SENTONが運営する、ゴーストレストランに特化したシェア型クラウドキッチン施設「KitchenBASE」1号店が中目黒にオープンしました。

ゴーストレストランは自宅のキッチンでも開業できるの?

客席を有しないゴーストレストラン。実際に開業費用を抑えることができる点が魅力と言われています。そんなゴーストレストランは「自宅で開業できるの?」という疑問を持たれる方が多いです。

結論からお伝えすると、自宅での開業も可能です。

飲食店として必要な設備を整え、食品衛生法に基づく営業許可を得ることができれば、実際に営業は可能です。
しかしながら飲食店としての設備を自宅で整えるのは大変。二層式シンクが必要だったり、床の設備にも必要なものがあったりと、一般的な家庭用では許認可がおりない可能性が高く、条件が厳しいのが現状です。

ゴーストレストラン開業のメリットとは

①開業資金を抑えられる

通常、飲食店の開業には物件取得費、内装工事費、備品代、スタッフの人件費などを合わせて、数百万から1,000万円という、まとまった資金が必要です。

一方でシェアキッチンなどを借りたゴーストレストランの場合は、キッチンを借りる費用だけではじめることができます。

内装デザインや設備投入の必要がなく、デリバリーサービスへの登録料もほぼかからないため、実質100万円ほどで簡単に開業できることが特徴です。

飲食店の開業には、初期費用を投資しても、回収できずに数年以内に廃業するというケースも多く見られます。ゴーストレストランは、費用をかけず「まずは自分のお店を持ちたい」という方が一歩踏み出すには適した場所だといえるでしょう。

 

②経営コストを抑えられる

飲食店経営で難しいとされてきた、家賃・光熱費・消耗品などのランニングコストや接客・調理スタッフの人件費を削減できることも大きなメリットです。

通常、飲食店の調理スタッフは1〜2人、ホールスタッフを含めて最低でも3人のスタッフが必要になります。

ゴーストレストランの場合は、デリバリーサービスを利用することで混雑している場合でも、タブレットのボタンひとつで混雑を回避できるため、調理スタッフ1人〜2人のみで営業することができます。

また、デリバリーサービスを活用することで最低限の露出を確保できるため、広告費を抑えることが可能です。

③臨機応変にメニューを変えられる

実店舗でメニューを変更するには、メニュー表を作り直し、インテリアを変えるなど大掛かりな準備が必要です。

しかし、ゴーストレストランでは店舗をお客さんに見せる必要がないため、タブレット内のメニューを変更するだけで、簡単にメニューをリニューアルすることができます。

デリバリーサービスのサイト上にブランドを複数設けることもできるため、「うどん屋とタピオカ屋」など異なるジャンルのお店を運営できるのも、大きな特徴です。

④リピート率がわかる

ゴーストレストランでは、デリバリープラットフォームを活用することで、本当にリピート率が高いメニューはなにか、どんな年代の方に支持されているのかなど、従来アナログに計算するしかなかった詳細なデータを簡単に得られることが特徴です。

実店舗の運営でリピート率が伸び悩む原因には、「売れているからこの商品は美味しいはずだ」という思い込みによって、看板メニューを打ち出してしまうというケースがあります。

デリバリープラットフォームで注文を受けることで、顧客データが蓄積されていきます。感覚ではなく確実なデータに基づき、売れるメニューを分析することが可能です。

ゴーストレストランを開業するまでの注意点

ゴーストレストランでは、気をつけるべきポイントやデメリットなどもあり、注意しなければ行けません。しっかりと把握して、失敗をしないようにしましょう。

①共有している整備や備品、金銭のトラブル

まずは共有しておくべきルールをあらかじめ決めておく必要があります。
共有物の使用するためのルールなどをしっかりと定めておくべきです。
また、それだけでなく何か起こった時に対処するのではなく、あらかじめ何かが起きる可能性を考えた上で対処を行っておく必要があります。

③デリバリーや備品(容器)にかかる費用も忘れずに

一般的な飲食店より初期のコストは下げられますが、一般的な飲食店とは違って、デリバリー費用やデリバリー専門容器がコストとしてかかってくることを忘れないようにしなければなりません。

③顧客とのコミュニケーション手段が少ない

客席のあるレストランなど飲食店と違い、顧客とのコミュニケーションの手段が少ないです。SNSの活用やデリバリー代行サービスの広告などを使って、新規顧客を獲得していく必要があります。

ゴーストレストラン開業までの流れ

①食品衛生責任者の資格を取る

店舗を開業するには、食品衛生責任者を1名選任する必要があります。食品衛生責任者は、飲食店のみならずスーパー、コンビニなど食品を製造・提供するお店では必ず取得しなければならない資格です。

資格を保持していない場合には、「食品衛生責任者養成講習会」の受講が必要です。1日程度の講習を受けたのち、修了試験に合格することで営業許可を申請できるようになります。

講習は、各都道府県の食品衛生協会の主催で行われています。日程や事前申し込みについては、各協会のホームページをご確認ください。

②調理場所を確保する

チェック1.営業許可を得る

営業許可を取得するには、「食品衛生養成講習会」の受講後、保健所に「営業許可申請書」の提出が求められます。

その後、保健所スタッフにより、キッチンが一定の基準を満たしているかを測る審査を受け、問題がない場合は営業許可書が交付されます。 通常、申請から2~3週間で営業を始めることができます。

チェック2. Wi-Fi環境を整える

タブレット上で注文を受注するゴーストレストランでは、最適なWi-Fi環境が重要です。施設に整備されていない場合には、ご自分で整えましょう。

チェック3. デリバリーに最適な立地を選ぶ

一般的なレストランと業態の異なるゴーストレストランの立地は、駅近や人通りの多い場所である必要はありません。その代わり、運営するお店のデリバリー戦略に沿った立地選びが成功を左右するといえます。

商品が売れやすい場所を判断するには、大体3km以内の商圏でリサーチするのが良いといわれています。

クラウドキッチンを運営するキッチンベースでは、商圏内で一店舗あたりのオーダー数と他の飲食店のテナント数を考慮した上で、慎重に場所を選定しています。

ゴーストレストランの立地は必ずしも一等地である必要はなく、家賃を抑えられる分、デリバリー環境に適した立地であるかを確認することが重要です。

チェック4. 営業可能日数は足りているか

Uber Eatsをはじめとするデリバリーサービスには、オーダー数などのデータにより露出度が変化する仕組みがあります。

そのため、ゴーストレストランの営業日数が少なければ、お客さまがアプリでお店を探す際に上位表示されないという状況が起きます。

店舗を借りる際には、売上を立たせるための営業日数を考慮し、土日祝日を含め週何日営業できるかを重視しながら探しましょう。

 

③タブレットを用意する

ゴーストレストランでは、レジシステムの代わりに、オーダー数や売上げなど全ての情報を管理するタブレットを使用します。

キッチンベースでは、1店舗につき1台無償で貸し出しをしています。クラウドキッチンなどの店舗で開業をする場合には、ぜひ運営元のサービス内容を確認してみてください。

④デリバリー代行サービスへ登録する

ゴーストレストランを運営するには、掲載されている複数の店から好きな店を選択して出前ができる「総合型」と言われるデリバリー代行サービスに登録する必要があります。

代行サービスの利用には、HPやSNS上でデリバリーをはじめるよりも人件費や広告効果が高いというメリットがあります。

開業資金を最小に抑えるなら、ゴーストレストランを新たな挑戦の場に
ゴーストレストランの開業には経営コストやリスクを抑えるだけでなく、メニュー開発をとことん追求できるというメリットがあります。いきなり店舗を構えることには気が引けるという方でも、商品が売れるかどうか検証するためにはもってこいの業態です。

ゴーストレストランのメリット・デメリットを踏まえて開業を検討する場合、次に必要になるのはデリバリーに最適な環境選びです。

クラウドキッチンや間借り、シェアキッチンなど、ゴーストレストラン運営に活用できる施設は幅を広げています。開業の目的や戦略に合った施設を検討することがゴーストレストラン成功のカギとなるでしょう。

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