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「食」の新たなインフラを目指して。KitchenBASE代表・山口大介と考える、クラウドキッチンの未来
「食」の新たなインフラを目指して。KitchenBASE代表・山口大介と考える、クラウドキッチンの未来

ピックアップ2022.5.9

「食」の新たなインフラを目指して。KitchenBASE代表・山口大介と考える、クラウドキッチンの未来

「新たな常識に挑戦する」を合言葉に、デリバリー専門のクラウドキッチンとして誕生したKitchenBASE。一号店となる「KitchenBASE中目黒」の立ち上げから3年が経ち、昨年には初の関西拠点となる「KitchenBASEなんば」をオープン。東京・大阪に8拠点を構える、日本最大級のクラウドキッチンとして成長を続けてきました。

けれど、より大きな飛躍を果たすには、ときには立ち止まり、自分たちの足元を確かめることも大切です。そこで今回インタビューしたのが、KitchenBASEの創業者である代表の山口大介。弊社のこれまでの歩みを振り返るとともに、クラウドキッチンの未来を探っていきます。

孤独に働くシェフのためのコミュニティをつくりたい

クラウドキッチン事業をスタートした理由を教えてください。

飲食業界ではたらくシェフたちが、コミュニケーションできる場所をつくりたいと考えたからです。というのも、ご存じの方も多いと思いますが、飲食業の廃業率はとても高く、開業から2年で約50%のお店が廃業すると言われています。さらにその内訳を見ていくと、廃業するのは個人経営のお店が圧倒的に多い。

飲食店を持続的に経営していくには、調理技術だけではなく、マーケティングやデザインのノウハウ、不動産や経営の知見など、幅広いスキルが必要なんです。チェーン店であれば、それをチームで補えますが、個人経営の場合は難しい。だとしたら、それぞれに得意分野を持ったシェフたちが、互いの苦手な部分を支え合う場がつくれないかと考えました。それが2018年くらいのことですね。

最初はフードコートのような業態も検討したのですが、ひとつの場所に出店するとなると、どうしてもお客さんの取り合いになってしまいます。そこで当時ようやく日本でも普及しはじめていたフードデリバリーに特化したシェアキッチンのようなものをつくれないかと考えたんです。このアイデアが、私たちのクラウドキッチン事業のベースになっています。

ノウハウを得るために、まずは自分たち自身がフードデリバリーに挑戦

そこからどのように事業を展開させていったのでしょう?

当時の弊社は、創業メンバー3人だけの小さな会社で、飲食業のノウハウはまったくありませんでした。そこでまずは自分たちがフードデリバリー事業に挑戦してみようということで、デリバリー専門のサンドイッチ屋を立ち上げたんです。ひとりがキッチンでサンドイッチをつくり、残りのふたりが自転車でデリバリーする。3人とも調理も配達も未経験で、文字通り体当たりでのスタートでしたね。


カンボジアの「ヌンパンサンドイッチ」をデリバリーで提供していた

当然といえば当然ですが、最初はかなり苦戦しました。一日3オーダーしか出ない日もあって、あのときは本当に落ち込みましたね。それでもデリバリーだけでしっかりと売上をつくれることを証明しなければ、クラウドキッチン事業を成功させられるわけがありません。少しでもオーダー数を伸ばそうと、思いつく限りの努力をしました。デリバリーでの注文が多い店舗に視察に行ってみたり。大手ハンバーガーチェーンに3時間くらい居座って、自分たちとの違いは何かと観察しつづけたこともありました(笑)。


代表の山口と統括マネージャーの野原

そうやってオペレーションからメニュー構成、商品写真の撮り方まで、少しずつ改善していった結果、当時の私たちがデリバリー事業を成立させる一つの目安として設定していた「一日8万円」の売上を達成することができました。この時期に自分たちで汗をかきながら掴んだノウハウは、今も事業の支えになっていますね。


調理と配達の合間に、サービスローンチのためのシステム開発を進めていった

スタートアップから大手チェーンまで、あらゆるニーズに応えるクラウドキッチンに

そうした経験を経て、中目黒にKitchenBASEの一号店をオープンさせたのが2019年。そこから今日まで、手応えはいかがですか?

中目黒の一号店を軌道に乗せるまでが大変でしたね。ただ2020年に入ると、コロナ禍の影響でフードデリバリー市場が急拡大したこともあり、どの店舗も一気に売上が伸びていって。そこから今日まで、クラウドキッチン事業は堅調な成長を続けています。KitchenBASEの拠点数も、2022年の5月現在で全国に8施設、150を超えるキッチンを持つまでに至りました。

1フロア4キッチンを備える「KitchenBASE 中目黒」

現在は主に、どんな方が出店されているのでしょうか?

一番多いのは、これから飲食の世界での起業を目指す、スタートアップのユーザーですね。一方で、最近では、ローカルレストランの二号店や、大手ファーストフードチェーンのフランチャイズ店など、ユーザーの幅が拡がりつつあります。KitchenBASEのなかには、デリバリーレストランをはじめるのに必要な設備がすべて整った「フルプラン」のキッチン、最低限の設備を備えつつ好きなようにカスタマイズできる「ハーフプラン」のキッチン、自分たちでゼロから設備をセットアップできる「スケルトン」のキッチンを取り揃えていますので、みなさんそれぞれのニーズに合わせて出店されていますね。

フルプランのキッチン。設計や工事の手間なしに、最短でのオープンが可能に。

ハーフプランのキッチン。必要に応じてカスタマイズを施すことで、最適な環境を整えられる。

「失敗のパターン」を学ぶことが、成功への近道です

この3年間で、クラウドキッチン事業を展開する競合他社も増えてきました。そのなかでKitchenBASEの強みは、どこにあるのでしょう?

事業のフェーズに応じて常に適切な支援を提供できるサポート体制が、私たちの最大の強みです。スタートアップのユーザーであれば、施設や設備の検討からご相談に乗りますし、事業がある程度軌道に乗ってからも売上拡大のための定期ミーティングは欠かしません。そうした支援を提供できるのは、私たち自身がこの3年間で蓄積してきたフードデリバリーに関する膨大なデータがあるから。私たちがKitchenBASEで提供しているのは、単に調理のためのキッチンではなく、フードデリバリー事業を成功させるためのあらゆるノウハウなんです。私たちがゼロからサンドイッチ屋を軌道に乗せたように、KitchenBASEならば飲食未経験の方でもフードデリバリー事業でチャンスを掴める。そこが競合他社との一番の違いではないでしょうか。

フードデリバリー事業を成り立たせるための、「成功の方程式」のようなものが確立されているということでしょうか?

それとは少し違うかもしれません。というのも、フードデリバリーの成功パターンって、お店によってバラバラなんですよ。私たちが予想もしていなかった強気の価格設定で成功した、デリバリー専門のお寿司屋さんがあったりもしました。そういう意味では、「成功の方程式」のようなものはありません。ところが、事業に失敗するお店には、一定の法則性がある。なので、まずは「これだけは避けるべきこと」を徹底してお伝えするようにしています。

「失敗のパターン」とは、たとえばどのようなものなのでしょう?

たとえば「フードデリバリー事業が、リピータービジネスであることを認識していない」というのはよくある失敗パターンの一つですね。フードデリバリーの商圏は、せいぜい3km程度。そうすると実はリアル店舗以上に、リピーターの獲得が重要になってくるんです。まずはそれをしっかりと認識していただいた上で、リピーターを増やすためのノウハウをお伝えしています。

今こそフードデリバリーに参入するべき理由とは?

これからのフードデリバリー市場は、どのように変化していきそうでしょうか?

まず大前提として、今後もフードデリバリー市場は拡大を続けていくと考えています。リモートワークが私たちの働き方に根付いたように、フードデリバリーもライフスタイルの一つとして定着していくはずです。そのなかで、デリバリーとリアル店舗という区別が、少しづつ融解していくのではないでしょうか。たとえば、マーケティングの一環としてフードデリバリーを活用するケースは確実に増えてくるでしょう。実際に地方で事業を展開してきた大手チェーン店が、東京進出にあたってまずはKitchenBASEで出店し、地域のニーズを掴んでから実店舗を構える、というケースもありました。ちなみに現在その企業は、別のエリアでもテストマーケティングを兼ねてKitchenBASEをご利用いただいています。またこれまで東京を中心に事業を展開してきた私たちが昨年、大阪にKitchenBASE なんばをオープンした理由のひとつも、東京の飲食店が大阪に進出する際の足がかりになればと考えたからです。

フードデリバリーやクラウドキッチンが社会に定着すれば、飲食業界の働き方にも変化がありそうですね。

そうですね。一日中ひとりでキッチンに立ち続ける料理人のなかには、孤独を感じている人も多いと思うんです。お客様と顔を合わせないデリバリーであれば、ますますそうでしょう。けれど一つの施設に複数のキッチンが並ぶKitchenBASE であれば、隣のキッチンの料理人に試食をしてもらったり、施設のスタッフと打ち合わせをしたり、日々の仕事のなかで自然とコミュニケーションの時間が生まれます。そうした交流が、新しい食材に出会うきっかけになることもあれば、ちょっとした雑談からコラボメニューのようなものが生まれたこともありました。これからもKitchenBASEは単なるビジネスの場を超えて、人と人とがつながる温かみのある場所であり続けたいと考えています。

今まさにデリバリーに参入しようか迷っている方に、何かアドバイスはありますか?

「フードデリバリーに参入するなら早いほうがいい」ということはお伝えしたいですね。たとえば、YouTubeにしてもeコマースにしても、トッププレイヤーの多くは、その業界の黎明期から活動を続けてきた方ですよね。やっぱり、業界が成熟していくまでの過程をリアルタイムで目にする経験は、ビジネスを成功させる上で、何よりの財産になるのだと思います。フードデリバリーの世界は、まさにこれからが成熟期。このチャンスを逃さず、飲食業界で新たなチャレンジをしてみたいという方は、ぜひ私たちにご相談ください。 

世界展開も視野に、KitchenBASEはさらなる成長を目指します

KitchenBASEのこれからの展望を教えてください。

私たちはKitchenBASEを、食の新たなインフラにしたいと考えています。その街で暮らす人々にとっても、飲食事業者にとっても、欠かすことのできない存在を目指したい。そのためには、拠点数をさらに増やしていかなければなりません。東京・大阪だけではなく、スピード感を持って、日本全国に拠点を展開していきたいですね。いずれはアジア各国をはじめ、世界への進出も視野に入れています。春は日本で旬の食材を活かした料理を提供し、夏はどこか東南アジアの国で、その土地ならでは食材を使って料理をする。そんな働き方をするシェフが現れたら素敵ですよね。飲食という文化をもっと多様で、豊かなものにしていく。そのためのきっかけづくりができたら、嬉しいですね。

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