業務用キッチンとは業務効率を重視して設計されたキッチンのこと。一般的なキッチンよりも耐久性に優れており、業務効率化を重視して設計されています。
中小機構の「市場調査データ フードデリバリー」によるとコロナ禍によりフードデリバリーの利用頻度が増えたと答えた人は22.3%に及び、近年は業務用キッチンをレンタルしてデリバリーに特化した飲食店に挑戦する人が増えています。
本記事では、業務用キッチンを借りてデリバリー専用の飲食店を始めたい方に向けて、業務用キッチンの基礎知識やメリット・デメリットをまとめました。
業務用キッチンとは
業務用キッチンとは、大量の料理を効率的に調理するために設計されたキッチンのことです。耐久性や機能性、衛生面などを重視して設計されており、効率的かつ本格的な調理が行えます。
業務用キッチンと家庭用キッチンの違い
業務用キッチンと家庭用キッチンの大きな違いは、耐久性と機能性です。
業務用キッチンは過酷な調理に耐えられるよう、ステンレスで作られています。業務用キッチンは厚みがあり、頑丈な構造となっているため、重い調理器具を使用しても簡単にへこみません。シンクも低い造りとなっており、作業効率や安全性、清掃性が考慮されています。
それに対して家庭用キッチンは一般的な調理を前提とした設計となっているため、業務レベルの調理を行おうとするとへこみや破損が生じる可能性も。シンクも一般的に業務用キッチンよりも高い位置に設置されています。
また、機能性も業務用と家庭用では大きく異なります。キッチンの設計が作業動線を考慮したレイアウトになっており、ガスも高火力なので調理時間を短縮して食材の旨みを閉じ込めることができます。一方家庭用キッチンは収納やデザイン、使い勝手を重視して設計されており、効率についてはあまり考慮されていません。
業務用キッチンとシステムキッチンの違い
システムキッチンとは家庭用キッチンの一種で、コンロとシンクが一体となっているキッチンを指します。システムキッチンで重視されているのはデザイン性、収納力、使いやすさです。また、デザイン性と機能性を重視した設計となっており収納力にも優れています。
一方、耐久性、機能性、衛生管理を考慮して設計されているのが業務用キッチンです。収納力やデザイン性よりも業務を効率的に行うことが重視されており、キッチンの素材や火力だけでなく、換気設備も業務に耐え得る設計となっています。
業務用キッチンを自宅に設置することは可能?
技術的には可能ですが何点か注意点があります。
まず、業務用キッチンには家庭用キッチンに義務付けられている安全装置が付いていません。家庭に業務用キッチンを設置する場合は、安全を保つために、換気設備や火災報知器の設置が必要です。
また、業務用ガスコンロの設置には消防法や建築基準法などの法令規制がありますので、設置する際は法令基準を満たす設置計画を立てる必要があります。
次に、業務用キッチンは家庭用キッチンよりも大型であるため、十分な設置スペースが必要。例えば一般的に使用される業務用シンクは、奥行600mm×幅700mm×高さ800mm程度のサイズが一般的です。
最後に、業務用キッチンを家庭に設置する場合、50〜150万円の費用がかかります。業務用シンクを家庭に設置する場合はメリットとデメリットを比較することが大切です。
業務用キッチンをレンタルするメリット
デリバリー専門店の運営を目的としたクラウドキッチン/シェアキッチンなどの施設には業務用キッチンが用意されており、週単位や月単位でレンタルできます。
ここでは、デリバリーに特化した飲食店向けに設計された施設で業務用キッチンをレンタルする主なメリットを3つ解説します。
費用を抑えてデリバリーに特化した飲食店を開業できる
業務用キッチンのレンタルサービスを提供している施設は、すでに調理用の設備や厨房機器などが整えられているため、初期費用を抑えてデリバリー専門店やキッチンカーのビジネスを始めることができます。
物件取得費、内装工事費、厨房機器購入費などをかけることなく調理に必要なスペースだけを借りることができますので、開業費用が実店舗飲食店と比較して10分の1程度に抑えられます。また、原状回復費用や保証金償却費といった閉店費用が抑えられる点もメリットです。
施設によってはデリバリー代行サービスとの契約もスムーズ
デリバリー専門店の運営を前提とした業務用キッチン施設の中には、料理を届けるデリバリー代行サービスとの連携サポートを行っているものもあります。複数のデリバリー代行業者と提携しており、システム連携や配達員の受け渡しなどがスムーズに行えるようになっているため、初めてデリバリー事業に挑戦する方でも安心です。
業態変更を行う際も比較的簡単に行える
デリバリーに特化した飲食店向けに設計されている施設の場合、業務形態の変更も比較的容易に行えます。客席や内装にコストをかける必要がなく、初期投資を大幅に抑えられるため、業態変更に伴う設備投資などのリスクを軽減できるからです。
売れ行きの悪い業態をストップし業態変更をするというのは実店舗では簡単ではありませんが、デリバリー専門店なら比較的容易に行えるでしょう。また、デリバリーという特性を活かして需要に合わせて柔軟に営業時間や営業日を変更できるというメリットもあります。
業務用キッチンをレンタルするデメリット
ここでは、デリバリーに特化した飲食店向けに設計された施設で業務用キッチンをレンタルするデメリットについて考えます。デリバリー専門店の開業に興味がある方は、メリットと併せて確認しておきましょう。
キッチン設備や内装の変更ができない
業務用キッチンをレンタルする場合、自分の店舗のようにキッチン設備や内装を変更することができません。運営側は効率的な施設運営とコスト管理のために、設備や内装の標準化を図っています。キッチン設備を使い勝手のために変更したい、内装を飲食店の世界観のために変更したい、と考える方には業務用キッチンのレンタルはデメリットになり得るでしょう。
飲食店での食事体験を提供することができない
業務用キッチンをレンタルして運営するデリバリー専門店の場合、顧客との接点を築きにくいという課題があります。実店舗の飲食店の場合、内装や接客など、食事以外の体験を提供できますが、デリバリーの場合は体験価値が弱くなってしまいます。
マーケティングがオンラインに依存してしまう
デリバリーに特化した飲食店の場合、マーケティングはWebサイトやSNSが中心です。そのため競合他社との差別化が難しく、効果的なマーケティング戦略が必要になります。また、お客さまの評価をデリバリー代行サービスのアプリでしか確認できないため、集客に苦労する可能性もあるでしょう。
東京と大阪で業務用キッチンをレンタルするならKitchenBASE
KitchenBASEは東京と大阪に展開する業務用キッチンを備えたクラウドキッチンです。デリバリー専用の飲食店としての利用を前提としており、本格的な業務用キッチンをレンタルし自分のレストランを実店舗の10分の1のコストで開業できます。
施設があるのは、馬込/高田馬場/高円寺/蔵前/中野/浅草/神楽坂といった、デリバリーに有利な立地。デリバリー需要のデータを独自分析しその結果を元に戦略的な立地選定をしているため、デリバリー業界で戦っていくための確固たる土台を築けるでしょう。
デリバリー代行サービスとの連携や売上サポートなど包括的に開業・運営をサポートする体制が整っていますので、初めてデリバリー専門店に挑戦する方も手の届く資金でリスクを最小限に抑えた飲食店経営が目指せます。
業務用キッチンに関するよくある質問
業務用キッチンを使ってデリバリー特化の飲食店を開業するための費用は?
KitchenBASEの場合、入居者の初期投資は保証金などを含めて100万円程度です。入居期間は6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月から選択することができます。業務用キッチンとして必要な設備が完備されているため、実店舗の飲食店と比較して費用を10分の1程度に抑えることができます。
業務用キッチンでデリバリー専門店を開業する手順は?
まずは「飲食店営業許可証」や「食品衛生責任者」といった飲食店開業に必要な許可を取得します。それと同時に、デリバリー専門店に対応している業務用キッチンと契約をしておきましょう。続いてデリバリーメニューの考案や、デリバリー代行サービスの選定に取り掛かります。ちなみにKitchenBASEであればデリバリー代行サービスとの連携もスムーズです。
業務用キッチン・クラウドキッチン・シェアキッチンの違いは?
業務用キッチンとは、家庭用キッチンと異なる特徴を持つキッチンのことです。クラウドキッチンとはフードデリバリー事業専用に設計されたキッチン施設を指します。シェアキッチンもキッチンを共有する施設のことですが、シェアキッチンが一つのキッチンを複数人でシェアするのに対し、クラウドキッチンは独立したキッチンが複数ありそれぞれがキッチンを使用するという違いがあります。
業務用キッチンをレンタルする際の注意点は?
デリバリーエリアや交通アクセスを考慮し、効率的な配送が可能な場所を選びましょう。周辺の交通状況や住んでいる人の年齢層などもチェックしておくことをおすすめします。また、利用できる調理設備、備品、食器などを事前に確認しておくことも大切です。
業務用キッチンを借りる場合、調理器具はレンタルできますか?
フードデリバリー事業専用に設計されたキッチン施設であれば、調理器具は一通り揃っています。一方、個人利用向けの施設では、調理器具や備品は持ち込みが必要な場合がありますので注意しましょう。
まとめ
今回は業務用キッチンの概要や、業務用キッチンをレンタルしてデリバリー専門店を開業する場合のメリットやデメリットを解説しました。新型コロナウイルス感染症の影響やライフスタイルの変化に伴い広がりを見せるデリバリー需要。スマホで食べ物を注文し自宅で気軽に楽しむという飲食体験は、今後さらに広がっていくでしょう。デリバリー専門店の開業をお考えの方は、ぜひKitchenBASEを活用し好調なスタートを切りませんか?出店のご相談やお問い合わせは公式サイトやLINEにて承っています。