日本の中食を除く外食産業市場規模は、2023年には24兆1512億円とされており、2030年にはおよそ35.5兆円に達すると予想されています。日本における外食産業に対する需要は一度落ち込みを受けたものの、2020年以降、年率11.6%の割合で着実に増加しています。
ファミリーレストランやファーストフードなど従来の外食産業に加え、Uber Eatsや出前館などのフードデリバリーサービスの人気が高まり、自宅で好みの食事を自由に楽しむことができるようになりました。このトレンドにより、飲食店が競争力を維持することの重要性はますます高まっています。
高まる外食産業のニーズに応えるため、大手レストランチェーンを含む多くの飲食店が、調理にセントラルキッチンを採用しています。しかし、セントラルキッチンとは具体的にどのようなものなのでしょうか?以下では、セントラルキッチンの概要についてさらに詳しくみていきましょう。
セントラルキッチンとは?
セントラルキッチンとは、セントラル・プロダクション・ユニット(CPU)の略称で、大量の調理を効率的に行い、各エリアに届けるための調理施設を指します。セントラルキッチンはカジュアルなレストランから高級レストランまで、さまざまな規模の飲食店にとって不可欠な施設です。
セントラルキッチンは、食品が調理・包装され顧客に直接配送されるレンタル用のクラウド・キッチンとは異なります。セントラルキッチンの場合は、飲食店がすべての料理を一箇所で調理し、それから複数のエリアに配送されます。
なぜ数多くの飲食店がセントラルキッチンを選ぶのか、その理由が気になりませんか?ここからは、セントラルキッチンのメリットを詳しくご紹介します。
1. 食品の品質を維持できる
セントラルキッチンを採用する大きなメリットの一つは、すべてのレストランで料理の品質を一定に保つことができるところです。どの飲食店でも同じ高品質の料理を提供することの重要性は、誰もが知っているでしょう。たとえマニュアルを使用して、優秀なシェフを雇っていたとしても、作業方法に違いがあれば、その僅かな違いが料理に表れてしまう恐れがあります。食品の品質を維持したいのであれば、セントラルキッチンは最適だといえるでしょう。
2. コストを削減できる
レストランチェーンを運営するには、スタッフに支払う給与、日々の経費、店舗の賃借料など、多額の費用がかかります。日本では、飲食店用の物件を見つけて借りることは簡単なことではなく、費用もかさみます。また、すべての地域にレストランに適した物件が十分にあるわけではないため、事業拡大の際の課題となる可能性もあるでしょう。
セントラルキッチンは、すべてのキッチン業務を一箇所にまとめることを可能にすることで、レストランのオーナーをサポートします。オーナーは複数の物件を借りる必要がなくなるため、物件のコストをカットできます。さらに、複数のキッチンでスタッフを雇ったり、設備を維持するために多額の費用をかけたりする必要もありません。
3. キッチンスペースの課題を解決できる
キッチンが小さすぎたり、設備が整っていなかったりするために、レストランの拡大計画が頓挫してしまうことはよくあることです。特に日本の繁華街エリアでは、レストランに適した物件を借りるには莫大な費用がかかります。また、繁華街の物件は事業拡大を図るレストランには十分な広さや設備を備えていない可能性もあります。
これには解決策があります。それは、食品業界専用のキッチンをレンタルすることです。これらのキッチンでは、事業に必要なものを備えることができるため、事業拡大にも対応できます。実用的で効率的な設備を備えたレンタルキッチンを活用すれば、競争の激しい飲食業界で成功を収めることができるでしょう。
4. 業務効率を向上できる
業務効率の向上とは、単にクオリティの高いメニューが提供できるということだけではありません。セントラルキッチンは、複合的な視点からさまざまな業務改善に役立ちます。
具体的には、下記のような業務の効率化を目指すことができます。
- 物資の購入や管理を一箇所でまとめて行える
- キッチンを維持するための労力・費用といったコストを少なくできる
- 本社と物資の保管場所との間におけるコミュニケーションを改善できる
- 材料や備品の管理が改善され、無駄をカットできる
- スタッフのトレーニングを効率的に行える
- 新しいメニューのアイデアをより迅速に形にすることができる
5. シェフ不足の問題を解決できる
飲食業界の人手不足の問題は、外食産業における重大な課題です。しかし、セントラルキッチンを利用すれば、人手不足の問題を解決しやすくなります。セントラルキッチンなら複雑な調理作業を行うために多くのプロのシェフを確保する必要がないからです。つまり、料理人の雇用数を減らすことができます。また、現場のレストランで働くスタッフはセントラルキッチンで調理された料理を温めて提供するだけになりますので、仕事がシンプルになります。
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